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生存報告を兼ねたらくがきログ置き場
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自分用覚え書きdeath
ソラサラとか言いつつそれっぽいだけですうはー





座ったままの彼の横に腰を掛けた。
彼はわたしの接近に気が付くと少しだけびくっとしたが、すぐに下を向いてうずくまった。
ここに来た時は雨と泥で汚れていた彼の服も、洗濯したおかげで多少は綺麗になっている。
だけども、彼の身体のあちこちには小さな傷の痕が残っていた。
左の頬に白いガーゼが貼られている。
聞いた話によると、殴られた痕があるそうだ。
彼は何も語らないのでわたしには何もわからないが、
身体の傷よりも心の傷のほうがひどいのだろうな、ということは分かった。

「ねえ、ご飯できたよ」
彼はわたしの方を向く。不安そうな表情だ。
「別に毒なんか盛ってないから安心してよ」
「あ、その」
初めて彼が口を開いた。
「あなたたちを疑ってるわけじゃなくて……本当にお世話になっていいのかな、って」
「何言ってるの。行き倒れてボロボロになってる仲間を放っておくほど
わたしたち薄情じゃないよ」
「仲間……」
彼の顔が泣きそうになる。
「でも、だって、私は、……僕は、××××だから、普通じゃないから」
「?」
彼の言葉の途中に、よくわからない単語が出てきた。
少なくともわたしは生まれてこの方聞いたことのない単語だ。
「××××って、なに?」
彼の身体が震えた。
「お前は××××だって、あのひとが、××××なんかと、一緒に、いられるか、って」
その言葉の意味はわからないが、彼がどんな仕打ちを受けたかは察しがついた。
「私は、××××だから、きもちわるいから」
すべて言い終えるより先に、わたしは彼を抱きしめる。
「!」
「君は、その人のこと好きだったの?」
もう既に涙交じりの声で、彼は答えた。
「すき……でした」
「つらかったね」
返事はなかった。代わりに、しゃくり上げる声が響く。
「大丈夫、君はまたきっと誰か好きになれるよ。
好きになるのは自由なんだもん、ね?」
わたしと揃いの金の髪をした彼の頭を撫でる。
そういえば、彼はなんだかわたしに似ている気がする。
名前とか、外見とか、声の感じとか。
世間ではわたしの姉妹が有名人になってるみたいだけど、
同じ顔同じ声同じ名前のその娘より、彼の方がよっぽど兄弟に思えた。

数日後、傷も完治していないまま彼はここを去ったらしい。
今頃どうしているのだろう、幸せに暮らしているのかなと
彼の身を案じながらわたしは空を見上げた。


****
あれ、これサラソラじゃん……
あのソラ君とあのサラちゃんです。たぶん。

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